サクセス・アブロード・カウンセリング   日本語のサイトへ 英語のサイトへ
ホーム サービス プロからのアドバイス   書 籍   About Us ご連絡・申し込み

読むアドバイス

留学の悩みに関する読むアドバイス

トピックス
留学先で友達ができない
質問
6年間アメリカに留学している20代前半の女性です。小さい頃からおとなしくてシャイで人とかかわるのが苦手な性格ということもあり、アメリカでいまだに仲のいい友達ができません。クラスメートは、出会ったばかりの頃は私にとてもやさしく接してくれたのですが、しばらく一緒に過ごすうちに私が無口であまり話さないので会話が弾まなかったり、廊下ですれ違っても愛想が悪く避けているように見えたりするらしく、最近では彼らから嫌煙されています。アメリカ人は社交術に長けている人が多いように感じるので、こういった態度を取っている自分は、本当は不器用なだけだと理解されず、ただ単に性格が悪い人、冷たくてひねくれている人みたいに思われていそうです。本当はみんなのことが好きだしもっと仲良くなりたいけれど、どうやって距離を縮めたらいいのか私にはとても難しくて分かりません。教室でもわざわざ遠くに座っている知り合いに話しかけに行くのが恥ずかしいというか、変な感じに思ってしまいできません。どんどん人間関係が希薄になっていきます。人と話すときにとても緊張するし、ぎこちないし、最近自分は社会不安障害なのではないかと考えることもあります。こんな性格では将来仕事先で支障が出ると感じ、本当に落ち込んでいます。でも自分ではどうやったら直せるのか分からないのです。どうすればこんな状態の自分から抜け出せますか?

回答
仲のいい友達作りに悩む人は意外と多いものです。ですが、あなたの場合、もともと人とかかわるのが苦手で、6年間も友達がいなくてもなんとかなってきたし、クラスメートに誤解されていても、悲しいとか孤独とか感じ落ち込んでいるようでもありません。自分は社会不安障害ではないか、こんな性格では将来仕事先で支障がでるのではと心配されている点を見ると、あなたが求めるものは、社会に出て困らないだけの社交性を身に付けたいということではないかと思います。世間一般では、仲のいい友達を持つことは重要なことで、人生がより楽しく豊かになり、素晴らしいことだとされています。ただあなたの場合は、これまでは勉強が一番のプライオリティーで友人作りはそれほど大切ではなかったのでしょう。それはそれで、決して悪いことではありません。留学がちゃんとうまく行ってきたわけですから。しかし、あなたが懸念するように、仕事をし始めると、人と話すことが苦手、緊張するでは済まされません。また、性格が悪いとか冷たい、ひねくれているというような印象を与えては、職場関係、顧客との関係にも悪影響があります。人と話すとき、そのストレスでめまいなどの症状が出るとか、学校に行けないというようなことではないので、社会不安障害を危惧する必要はないと思います。ただ、これまでの「勉強・留学優先」の生活を少し変えて、「人間関係構築」の努力に時間を割けばいいのです。

まずあなたにとって必要な社交とは何か考えましょう。いきなり仲のいい友達を作るということではなく、相手に不快感を与えない、誤解されない良い人間関係を作ることではないかと思います。あなたは、どんな人となら、仕事や勉強を一緒にすることができますか? まず、信頼でき、責任感があり、きちんと礼儀を守り、話しやすい印象を持った人ではないかと思います。人間関係は、ある意味ギブアンドテイクです。あなたが人に求めるものは、あなたも相手に与えなければ人間関係は築けません。今のところ、あなたにはそれがとても少ないようです。もっとキブを増やすよう心掛けましょう。難しく考える必要はありません、あなたがクラスメートなど他人に望む行動をそのまま行えば良いのです。まず笑顔、そして "Hi, how are you?"を心がけましょう。話すのが苦手なら相手の話を興味を持って聞いてあげましょう。「みんなのことが好きだしもっと仲良くなりたい」と思っているなら、表情やボディランゲージ、言葉で伝えましょう。自分に好意を持ってくれる人に、大抵の人は悪意を持たないものです。最初は難しいと思いますが、家でその状況を想像し会話の練習をするなどして、少しずつ好感を持たれる行動をしましょう。

友達が欲しいのにシャイな人、うまくいかないと悩む人は、他の人は友人関係を作るのが難しくなく、そんなに頑張らなくても人から好かれるものと考えがちです。ですが実際は、多くの人はそれなりに孤独や人間関係の悩みを抱え、他人を理解する努力や人に好かれる努力をしているものです。運動と同じように、不器用なら、なおさら努力をしないと伸びないものなのです。社交術に長けている人が周りにいるのなら、その人の言動を観察しどうしたら好感を持たれるか、スムーズに会話が続くか学ぶのもいいでしょう。本や映画などからも学び、自分にできそうなことから少しずつやっていくのです。もともと不得意だったことですから、最初からすぐにうまくいくことを期待せず、自分から話しかける、グループスタディに参加するなど、とにかく行動に移しましょう。学習、練習、実践、反省を繰り返していけば、徐々に上達していくはずです。変な感じがする、緊張しぎこちないのも初めは仕方ないと割り切り、実際に行動する自分を褒め、ご褒美に一人の時間を思いっきり楽しむなどするのもいいですね。

人と話すとき緊張する、ぎこちなくなるというのは、「上手に話したい。変に思われたくない。よく思われたい」ということの表れだと思います。相手を思いやる気持ちは大切ですが、相手が自分をどう思うかにこだわると、人とかかわりづらくなります。どんな人にも長所短所があり、全ての人に好まれるということはありません。"だめでもともと"くらいの気持ちで勇気を持ち、アプローチしてください。社交でのギブアンドテイクがうまくでき、少しでも会話が弾む相手が見つかれば、人とかかわることの楽しさが分かり、社交の技術を上達させることにもっと喜びが見出せるでしょう。

もともとおとなしくてシャイなあなたが、わざわざアメリカまで留学したのです。失敗を恐れず、そこから学ぶ気持ちで少しずつでも頑張ってください。将来仕事を始めたとき、この経験から得たものがものを言うときが必ずくるはずです。

(スペースアルク 2013年3月掲載)


寮にボーイフレンドを連れてくるルームメートとの問題
質問
娘は21歳で、今年の9月から1年間の予定でアメリカの大学に交換留学生として滞在しています。彼女の寮生活での問題のご相談です。寮は2人部屋で、アメリカ人の同じ年の女の子と同室となりました。その彼女のボーイフレンドがたびたび部屋に遊びに来るようになったようで、ある日、彼が部屋に泊まったそうです。娘はびっくりしたのですが、今日1日のことなら我慢しようと思いそのままにしていたら、週末になると彼が泊まることが当たり前のようになってきたそうです。娘も慣れない海外生活に加え、勉強も忙しくなり自分の部屋で勉強をしたり、くつろいだりしたいと思っても、彼がいればシャワーを浴びる時間が制限され、着替えをするのもはばかられるという状態でストレスが溜まってしまったそうです。そこで、はっきりと自分の気持ちを彼女に伝えようと、彼が遊びに来るのは構わないが、泊まるのはやめてほしいと言ったそうです。自分も勉強で疲れて精神的にまいっているときもあるし、そういうときに彼が泊まっているととてもストレスになり勉強にも集中できないと伝えたところ、彼を連れてきても良くて泊まってはいけない意味が分からないと言われたそうです。自分としては、本心は彼に部屋にも来てほしくもないがそれを言ったら、自分のわがままになるので、せめて泊まることはやめてほしいという気持ちだったようです。寮の規定では友人を泊めてはいけないというルールもないようです。現在は、彼が来ているときは寮のスタディールームで勉強をしているそうです。このことから彼女との関係もギクシャクしているようです。まだ彼女との寮生活は続くので、この問題をどのように解決したらいいか、もしくは最良の落としどころはどこなのか親として心配しています。

回答
21歳という大人であっても、大切な娘さんを遠い異国に一人送るのは、大変心配なことだと思います。できるだけ本業の勉強に集中して、良い経験をして帰ってきてほしいと願うのも親として当然のことでしょう。ですが、留学で得るものは、単に語学力の向上や知識だけではありません。大きく違う価値観・習慣を知り、その中でなんとかサバイバルしていくということも大変重要な経験なのです。何とか助けてあげたいでしょうが、ここは、娘さんが自分で答えを出すのを見守る、というのも娘さんのためです。

日本で考える大学の寮というのは、学生としてきちんと生活するための細かい規則や門限があって、親としては大切な子どもを入れて安心と思えるものかもしれません。ですが、一般的にアメリカの大学の寮は、生徒は一人の大人として見なされ、日本のように生活スタイルまでかかわる細かい規則も監視もありません。日本なら、ルームメートのボーイフレンドは泊まれないなどルールがあるだろうし、それを破って泊めるとなるとびっくりされるでしょうが、アメリカの寮ならよくある話です。そして、これはアメリカではルームメート同士でよくもめる問題でもあるのです。娘さんは、まさにアメリカ寮生活の典型的な経験をしているわけです。親としては、ここで手を差し伸べて勉強に集中させたいところでしょうが、この経験を自分で対処し乗り切ることで、彼女の留学経験をより奥深いものにすることができるのです。

日本の常識ある学生ならば、ルームメートに迷惑をかけないという思いやりを持つものですが、アメリカでは個人個人で"常識"が随分と違います。ボーイフレンドを部屋に連れてきたい者、それがあたり前と思っている者は、当然のように泊める権利を主張するでしょう。それをされて迷惑なほうは、「自分の部屋で勉強する権利やプライバシーの権利」などを主張します。日本のように相手が嫌な思いをするとか、関係がギクシャクすることを恐れていては、自分が我慢するだけになります。アメリカは相手の立場や気持ちを察する文化ではありません。

娘さんは、相手を納得させる理由(例えば、彼のいびきで眠れないとか)と妥協案(土曜の夜はいいけど、日曜は駄目とか。隔週にしてほしい)などを考え、自分を守る作戦を立てなければなりません。それでも駄目なら、RA(Residential Assistant)という寮生活のアドバイザーのような人がいるはずですから、その人に相談しアドバイスをもらうこともできます。最悪、ルームメートを変えてもらう、寮を出るなど、面倒でも自分の力で情報を集めたり、現地の人に助けてもらったりしながらなんとか切り抜けるしかありません。

大学の勉強で忙しいし、ストレスも溜まっているのに、そんなことに煩わされるなんてとんでもない、と感じるかもしれませんが、後で考えると、教室内での勉強よりも、こういった経験がより英語力やコミュニケーション力を伸ばしてくれたことに気付くでしょう。まさに、こういった経験が本当の意味での留学、実際に生きた英語を学ぶということになるのです。彼女が社会に出たとき、こういったサバイバル力・英語での交渉力は、非常に役立つことになるのです。

今母親であるあなたにできることは、「そうね。それはつらいわね。相談できる人が近くにいるといいわね。RAやカウンセラーなどに相談してみたら」などと言いながら、メールや電話などで愚痴を聞いてあげる、日本からおいしい食べ物、彼女が欲しがるものを送ってあげるなどサポートに回ることだと思います。また、ルームメートが好きそうなお菓子など、娘さんがルームメートにお裾分けできるちょっとしたものを送ってあげることも、二人の関係を少しでも和らげるのに役立つかもしれませんね。

この問題の解決法も最良の落としどころも娘さん次第です。万一、ルームメートと大げんかすることになっても、ひたすら我慢することになっても、彼女の選択によるものなら、彼女の貴重な経験となり人生の糧となることでしょう。自分の納得する結果を得て乗り切ることが、彼女の大きな自信につながるはずです。心配でしょうが、彼女の力を信じて見守ってあげてください。1年後、より大きく成長した娘さんに再会できると思います。

(スペースアルク 2012年11月掲載)


留学先の先生に悪い成績を付けられた。差別では?
質問
アメリカのコミュニティーカレッジに通う留学生です。成績の付け方について不満があります。私は休まず出席したし、宿題も期日に提出しました。エッセーもテストも、いつもAかAプラスの成績でした。ところが、ほかの国から来た生徒で、休みがちで、宿題も遅れて出すし、テストはたいていC、良くてBという成績なのに、学期末に成績が出ると、私はCで、その人はAだったのです。全く納得が行かず、先生に聞いても、「もう成績は出したので、今更何もできない」と言うだけで、何の説明もありません。学期中から感じていたのですが、どうも私のことを嫌っているようなのです。私は結構発言するほうで、先生に何度も質問にも行きました。ほかのアジア人の学生はおとなしいので、生意気だと思われたのかもしれません。でも、好き嫌いで成績を付けるなんてありえないし、これは差別ではないかと思います。留学して3学期目で、今まで、いい成績をキープしてきたのに、この先生のためにGPA(Grade Point Average=成績評価値)が下がるのは本当に悔しいです。このせいで、この学校で勉強をする意欲もなくなってしまいました。どうすればいいのでしょうか。

回答
あなたは新しい環境の中でいろいろな困難を乗り越えて、今まで良い成績を出してきたのですね。ですからたった一人の先生のためにやる気をなくしてしまうのはもったいないことです。まずは何ができるか考えてみましょう。

ただ具体策を検討する前に、文面に一つ気になることがあります。それはあなたがほかの国から来た特定の学生(ここで便宜上Xさんとします)と自分の状況をものすごく比較している点です。自分の成績に不満があるのもさることながら、むしろXさんと比べて自分が不公平に取り扱われたと感じていること、これが最大の不満なのではないでしょうか? あなたが書いているようにもしかしたら本当に差別があったのかもしれません。でも結論に飛びつく前に、ちょっと考えてみましょう。

読んでいて疑問だったのは、ほかのクラスメイトもたくさんいる中、なぜあなたはXさんと自分を比べているのでしょうか? たまたま近くの席に座っていたから? それとも何かカチンとくることがあったから? それからあなたはXさんの全てのテストの成績や出席状況が分かっていて自分と比べていますか? Xさんは休みがちだったかもしれませんが、何か事情があって先生から前もって欠席の許可を得ていた可能性もありますし、宿題の期日も許可をもらって延ばしてもらっていたのかもしれません。自分の成績に納得がいかない場合に、ほか人と比べてクレームをつけても意味がありません。というのも最終成績は総合判断で、あなたがXさんの成績について知っているのは限られた範囲だからです。それに先生には守秘義務があり、あなたと話しているときに話せるのはあなたの成績についてだけで、ほかの学生の成績について話すことは禁止されています。もしあなたが先生と成績について話したときに、Xさんのことを引き合いに出していたとしたら、先生があなたに話せることはとても限られていたはずです。

さてここで上記のことを踏まえた上で、具体的に今何ができるか考えてみましょう。

(1)この授業の講義要綱を見直す。
要綱に成績の基準が載っている場合は、自分のエッセーやテストの結果と照らし合わせて、その結果が正確に最終成績に反映されているか確認します。もし正確に反映されていない、もしくは要綱に成績基準が載っていない場合は、次のステップに進みます。

(2)通っているコミュニティーカレッジの大学カタログ、あるいは学生ハンドブックに目を通す。
たいていカタログやハンドブックには、成績に納得がいかない場合や成績に間違いがあると思われる場合の手順が載っています。学校によって細かい手順は異なりますが、多くの場合次のようなことが必要になります。

(3)講義要綱、エッセーなどを持参した上でもう一度担当の先生と話す。
あなたが納得いかない点を具体的に説明し、どうして「C」なのか先生の説明を求めます。このとき大切なのは感情的にならないこと、ほかの学生と比べないことです。そのためにもどこがどう納得いかないのか、具体的に紙に書いて持っていくことをお勧めします。それからあなたは先生に生意気だと思われたのかもしれない、嫌われたかもしれないと心配しているようですので、先生と話すときにこれも合わせて率直に聞いてみてはいかがでしょう。

(4)それでもまだ納得のいく説明が得られない場合は、その先生の所属する部署の長と話す。
例えばこの先生が生物の先生なら、大学のサイエンスデパートメントの長と話し合います。

(5)最終的に納得がいかなければ、コミュニティーカレッジに異議申し立て(アピール)をする。
この手順は学校によって異なりますので、所属する学校に問い合わせます。そしてあくまで理論的に納得いかない点を説明すること、もし自分に落ち度があればきちんと認めること、このバランスが大切です。

今後も留学生活の中、納得いくこともいかないことも、うまくいくこともいかないこともたくさん経験するでしょう。でも本当の勝負はほか人とではなくて、自分との勝負です。自分に挑戦しながら、どんどん良い経験を積んで羽ばたいてください。期待しています。

(スペースアルク 2012年5月掲載)


友達からの相談が苦で学校に行きたくない
質問
日本の高校生で、アメリカの高校にクラス単位で留学しています。私はなぜか人に相談されることが多く、それはとてもうれしいし、信頼されるのはありがたいのですが、時々それが負担に感じるのです。そんなふうに思う自分が嫌な人間のような気がして、日本ではそういう時は少し学校を休んで、元気になったらまた登校していました。でも、アメリカの学校では欠席すると、厳しく言われるので長くは休めません。頭痛や風邪の時は休んでいますが、あまり休むと勉強が遅れるし、しんどくても行くようにしています。でも、そうすると友達が相談してくるし、避けると悪いし、勉強にも集中できないし、どうしていいか分かりません。

回答
あなたは友達に相談されると親身になってアドバイスしたり話を聞いてあげたりするいい人です。だから友達はあなたに信頼を寄せているのです。しかし、本当は、毎日元気に学校に行って勉強に励みたいと思っているのに、ここ何年かあなたにとって学校は「友達の相談を受ける場所」になっているようです。これはおかしいですよね。友達は学校にはちゃんと行っている上、悩み事はあなたに相談できるのに、あなたは友達の相談に疲れて学校を休むという図式になっているのですから。こんなことが続いたら、あなたは留学で学べるものも学べなくなってしまいます。それでは不公平です。

人間関係がつらくて学校に行けない人はたくさんいます。そういう人達は「友達」という部類に入る人間は、誰かれ構わず大切にしなければならないと考えているようです。しかし、友達は選ぶものです。「友達関係」を続けるために、自分のすべきことができなくなってしまうのでは本当の友達とは言えません。

あなたに必要なのは友達からの相談事をどう対処するかの練習です。まず、「このところ宿題がたまっているから、ちょっと今日は無理」「今日は疲れているからごめんね」というふうに断る文章を考えます。ここのポイントは、宿題がたまっているとか、疲れているからなど相談に乗れない「理由」を加えることです。そうすることで説得力が出ます。

次にそれについての相手の反応を考えます。「そうだね、ごめんね迷惑かけて」と理解を示されるのが最高の結果。ほかには「いつもは親身になって話を聞いてくれるのに」と不満を表される、「ちょっとだけ」と押される、泣かれる、「ふん、あなたはもう友達じゃない」と切れられる、といったケースが考えられます。

次に、それぞれの反応に1)自分はどう思うか、2)それにどう反応するか、を考えます。最も難しい「泣かれる」「切れられる」という反応を考えてみましょう。泣かれてあなたが感じるのは「悪いことをした」と、「私の身にもなってよ」という気持ちではないでしょうか。どう対応するかですが、ここで、「ごめん、私が悪かった、あなたの話をちゃんと聞くからね」とやってしまうと同じことの繰り返しです。相手が泣き止むのを待って「宿題が追いついたらまた相談に乗ってあげるね」と言うのはどうでしょうか。その時が来ても、今までのように際限なく相談を受けるのではなく、「今日は20分くらいならいいよ」と始めに言って制限を設けることです。

次に「切れられる」の反応です。おそらくあなたが感じるのは「嫌われてしまった。どうしよう」と「今までどれだけの時間、私があなたの相談を受けてきたと思ってるの?」という気持ちでしょう。この場合、気づいてほしいのは、この友達は「あなたは学業そっちのけで、自分の相談に乗ってくれるべき」と考えている点です。そんな考えの人と友達関係を続けるのはいいことでしょうか。この場合は、相手が落ち着いたときに「どうして怒ったの?」と聞いてみたり、あなたの事情をもっと説明したりすることもできます。もし、これでこの人があなたから遠ざかって行ったら、「そういう友達だった」と割り切ることです。

社会に出ると、どんな場にも人間関係の問題はあります。そこで、うまく人と付き合い、かつ自分のすべきことができるような人になるために、「いい人」でいる努力ではなく、「賢い人」になる努力を始めてください。

(スペースアルク 2011年11月掲載)


留学先の学校とクラスメートに失望
質問
学生時代にイギリスに5年間生活し、日本に帰国後社会人として働きながら貯蓄し勉強し2009年9月からスペインへ留学しています。しかし、学校選びに失敗してしまったのか自分が日本社会にどっぷり漬かっていたので適応力がないのか、日々の生活を楽しめていない感じで困っています。語学学校へ通っていますが、学校全体の生徒のなかでも唯一の30代そして社会人ということで、毎日クラブへ踊りに繰り出る10代20代の人ともなかなかなじめずただ、本当に勉強がしたいと思ってきたので、学校の授業の内容などと自分の期待値とのギャップが大きすぎ悩んでいます。もちろん、クラブへ繰り出て、毎日遊ぶのが悪いと言っているわけではなく、もちろん私も遊びますし、異文化を楽しみたいと思っていますが、高い授業料に見合った授業を受けることもできず、周りとの授業に対する姿勢の温度差を感じつつ、ただ一人でも同じくらいのモチベションで授業に参加している人がいればいいのですが、毎日自分はなんて価値のない、つまらない人間なんだろうなといような、ネガティブな発想が頭を目まぐるしく渦巻いていて、夜もあまり十分に睡眠をとることができません。しかし、日本に帰ろう、帰りたいという気持ちになることがないのですが、留学に対する勉強したいという気持ちが強すぎるのでしょうか?もっと周りに流されて遊んだほうがよいのでしょうか?何が一番よいのか、年甲斐もなく悩んでいます。学校を変えるなど環境を変えてみたほうがよいのでしょうか

回答
留学してみたら想像していたのと現実が大きく違っていた、というのは結構ある話です。特に、授業内容の質、学生の種類や質、学校の場所、住居の質などで、「こんなはずじゃなかったのに」とショックを受ける人は多いのです。そこで、「もうここに来たのだからここでやるしかない」と考えるのもひとつ、「いや、自分の考えていた留学ができる場所を探そう」と考えるのもひとつです。さて、どちらにすればいいのでしょうか。

こう考えてみてください。新しい土地でお米を作ろうと移動したとします。しかし、そこの土地はやせていて、水も十分ではありません。そんな土地ではいくらがんばっても米は育ちません。となると、無理にそこで続けるよりは、もっと土地が肥え水の供給がいいところに移るほうが賢明です。土地と水がいいと米はグングン育ちます。しかし、いくら土地がいいと言っても、天候の変化や害虫などの問題はいつかは出てくるでしょう。この例で、土地や水というのは、一人の人間にはどうしようもないこと、天候の変化や害虫などは、なんとかすれば改良できたり対処できたりすることです。留学で言えば、通う学校の質はあなたにはどうしようもないことです。質が悪いからと言って、自分の運命を嘆いたり、遊び好きな周りの学生に流されたりするよりも、いい学校を探して移るほうが賢明とは思いませんか?留学は自分への投資です。選んだ学校が投資に値しないのなら、すぐにでもリサーチを始めて、「そうそう、こういう環境を自分は求めていたんだった」と思える学校を探して転校することです。 いい学校を選んだら、そこで起きうる問題、例えば、言葉のストレス、カルチャーショック、宿題の多さなどは、あなたが努力して乗り越えていかなければいけないこととして対処しましょう。一度、イギリスで留学を成功させたあなたなら、それらはすでにできたことです。あなたの脳は「自分はできる」と思っているのに、あなたの行動が反対のことをしているから自分に腹が立つのです。

自分の人生は自分で切り開くのです。合わない学校なら変え、自分にとって悪影響を及ぼす人達とは付き合わず、自分が輝ける場所を探すことです。そして、いったん「ここはいいな」と思えたら、周りを気にせずに前だけを見て進むことです。あなたの留学はこれからですよ。

(スペースアルク 2009年12月掲載)


親の反対で留学が色あせたものに・・・
質問
冬休みに日本に帰ってから落ち込み気味の留学生です。留学して2年目で、アメリカでの勉強はうまく行っているし、自分で選んだ専攻もこれでよかったと思っています。アメリカの大学を出て少し働いてから帰国を考えています。問題は親が理解を示してくれないのです。学費は送ってくれますが、帰国した際、毎日のように「いつ帰ってくる」「どうして日本じゃだめなんだ」「そんなものを勉強してどうする」みたいなことばかり言われました。アメリカに戻って5ヶ月ですが、親の言葉が気になって勉強に集中できなくなってきました。どう考えればいいのでしょうか。

回答
どんな分野に進むにしても、子供にとって、親からの理解と応援は重要です。そして子供は、親からの「よくやったな」という言葉を求めてがんばるのです。子供が親に認められたいという気持ちは、子供が何歳になっても持っているものであり、それを言って欲しくてもっともっとと努力するのです。その観点から見ると、あなたの状況はどうでしょうか。あなたが目的を持ち、それに向かってがんばっていても、親が反対しているとか、あなたのやっていることを良しと思ってくれていないと、「親の言うことにも一理あるのだろうか」「どうしてこれほど反対するのだろう、何か理由があるのだろうか」などと、疑うことにエネルギーが向いてしまうのは当然です。このような状態では、あなたが前に進もうと思っても、後ろから引っ張られているようなもので、一歩進んでは二歩戻ったりするようなものです。

できる範囲でいいので、親の本心を考えてみてください。あなたが留学して日本に帰らないのではないか、親をほったらかしにするのではないか、アメリカで本当に大丈夫か、今の専攻で仕事があるのか、などが心配の種でしょうか。親の心配は尽きることはありません。また、子供が親を心配させないように暮らそうとすると、子供の人生はなくなってしまいます。人は自分の知らない世界のことを恐れます。もしかしたら、あなたの親は、親の知っている世界の中にあなたを置いておきたいのかも知れません。学費は出してくれるのに、口では反対するというのが、「留学はさせてやりたい、でも・・・」という、親の揺れる気持ちの表れです。

親の理解や賛成を待っていては時間だけが過ぎて行ってしまいます。あなたが今しなければいけないのは、自分の人生に集中することです。あなたがその専攻を選んだ理由、アメリカの大学を卒業しようと思った理由、少しアメリカで働いてから帰国しようと思った理由などを、もう一度明らかにしましょう。自分を信じるというのはこういうことを言うのです。親が理解してくれなくても、反対しても、選んだ道を着実に進んで行ける人になることが、あなたを成功に導き、結果的に、親もそこでやっとわかってくれるのです。ここまで留学がうまく行っているのなら、この先も大丈夫です。自信を持って進みましょう。


留学先でアメリカ人の友達ができない
質問
アメリカに留学して2年になります。英語力を伸ばしたいと思っていたので最初は日本人や留学生と一緒にいましたが、徐々にアメリカ人の友達といる時間を増やすように努力しました。(アメリカ人の親友というのはできたことがありません)。

最近アメリカ人の彼氏もでき、満足してはいたのですが、それ以外では日本人と台湾人の2人しか遊んだりしません。親友と呼べる仲が良かった日本人の友達はほとんど帰国し、友達の2人ももうすぐ帰国予定です。

他の日本人とはせいぜい挨拶をする程度で、今更あのコミュニティーに入りたいとも思いません。ただ、最近すごく孤独感を感じます。同じ言語で話せる友達が欲しい反面、常に日本語を話して英語力が伸びていない人をたくさん見てきたので彼らのようになりたくないというフラストレーションに悩んでます。そして、アメリカ人の親友ができないという点でも自己嫌悪になります。どうしたらいいのか自分でもよくわかりません。アドバイスお願いします。

回答
留学生につきものなのが、「人間関係が続かない」ことです。留学仲間は帰国したり引っ越していく、言葉や文化の壁でアメリカ人の友達はなかなかできない、できても続かないというのは、留学生なら誰でも経験する辛さです。

ここで、あなたにしっかりと再確認してもらいたいのは、「留学の目的」です。アメリカ人の親友を作ることや、友達を作ることは、本来の目的ではなかったはずです。ただ、人間関係が続かない環境で、寂しくなっているだけです。留学先の外国で、卒業する、学位を取るなどの目的を達成するのには、この「孤独との戦い」は、英語や勉強の「山」と同じく、越えなければならない山なのです。ある意味、今あなたが寂しくて孤独で仕方がないのは、あなたの留学がここまで成功しているという証拠です。

アメリカ人の親友ができるまでにはまだまだ時間がかかります。それは、アメリカ人と「何かを一緒にする」機会が必要だからです。スポーツや趣味をする、ボランティアをする、仕事をする、そういった同じ目的に向かって何かを一緒にするという時間を過ごすことで、初めてアメリカ人と同じ立場で人間関係が結べる状態になるのです。また、そこまでに至るまでには、英語力やアメリカ文化にどれだけ慣れ親しんでいるかも要因になります。

アメリカでできる人間関係は、日本であった人間関係とは「深さ」「情の厚さ」「長さ」などの点で、随分違います。それらは多くの日本人にとっては「ドライ過ぎる」と受け止められるようです。しかし、それがあくまでも「個人」を優先する文化での人間関係なのです。それらが理解できて、受け入れられるようになった時、あなたにもアメリカ人の親友ができるのです。だから、心配せず、今は「留学を成功させること」に集中しましょう。


日本の親が心配。留学断念すべき?
質問
アメリカにいる語学留学生33歳です。こちらに来る前2008年春にに父親(今年67歳になります)の様子が変だったので病院に行ったら、初期のアルツハイマーと診断されました。父は病名は知りません。その頃はまだ小さな変化だったので特に気にしてなかったのですが、今年に入って急に痴呆の症状(薬飲んでないのに飲んだと言う、夜中にトレイはどこ? と聞く)が出始め、父と2人で生活している母の精神状態も良くありません。

私は現在アメリカ人彼氏と一緒に生活していて、この状態を聞くまではアメリカでの就職にチャレンジしようと思っていたところです。でも、今はしばらく日本にいた方がいいのかと思っています。そうすると彼とは遠距離になってしまいます。アメリカにいる今は何も出来ないという事、もっと前に病院に連れて行っていれば良かった、定年してからの変化をもっと早いうちから察ししていれば良かった、などなど自分を責めてしまいがちです。12月電話で話したときは「俺の事は心配するな」と言っていたのに。夜になると気持ちが暗くなり泣いてしまいます。どうすればいいのか混乱しています。

回答
留学生にとって一番恐ろしいのは、留学中に日本の家族に何かが起きることです。学生とすると、すぐに帰国すべきか、留学を続けるべきか、苦渋の選択です。あなたに考えてほしいことは、「今、何が一番大切か」ということです。もし、すぐにでもお父さんが施設に入ったほうがいいというなら、施設を探したり、手続きをしたりという作業の手伝いをするのが優先順位かも知れません。もし、お母さんの精神状態が一番心配なら、お父さんに在宅サービスやデイケアを探し、彼女が少しでも息抜きできるようなサービスを探すことが第一かも知れません。こういうことなら、日本に帰らずとも、インターネットで調査できることはたくさんあります。もし、お父さんの状態が安定していて、かつ、お母さんも「留学を」と言ってくれるのなら、あなたの留学が第一になるべきです。なぜなら、そういう状態であなたが日本に帰っても、あなたができることは、家族と共にいてお母さんのサポートをすることくらいであり、この先、いつまで、それが続くかわからないし、その間、あなたの留学、就職、恋愛はすべて宙ぶらりんのままになってしまうからです。

次に考えてほしいのは、あなたの罪悪感についてです。日本を離れてしまったこと、お父さんをもっと早く病院に連れて行かなかったこと、彼の症状にもっと早く気づくべきだったこと、お母さんのことなど、山のように罪悪感があるようです。もし、その罪悪感から、留学もアメリカでの就職も恋愛もあきらめるとなると、今の罪悪感は少しはなくなるかも知れませんが、「自分の人生を棒にふった」という、自分に対しての別の罪悪感が生まれることになります。つまり、どちらに転んでも、罪悪感はついてくるのです。だとしたら、それぞれの罪悪感について、「それについて自分は何ができるのか」「本当にそれは自分だけのせいなのか」をよく考え、あなたにできることは進んでやり、「自分にはどうしようもできないこと」についての罪悪感を持つのはやめることです。

最後に、こういう場合、よく浮上してくるのは、それまでの家族内の人間関係や問題です。あなたのご両親の結婚はうまく行っていたでしょうか? あなたの家族内での役割、お父さん、お母さんとの関係はどういうものなのでしょうか? 家族の一大事には、昔からの人間関係のパターンや問題が複雑に絡んでくるものです。 大きな決断をする前に、ちょっと振り返って、こういうことを考えてみてください。あなたの苦悩の背景にある何かがわかると、決断する手助けになるでしょう。 

人生には辛い選択をしなければならない時があります。その時、「一番大切なこと」を元に決定するのと、罪悪感や、昔からのパターンや問題を元に決定するのとでは、大きな違いが出てきます。お父さんがおっしゃったこと、「親の心配をせず、自分の人生をがんばれ」も忘れないように。


過食嘔吐で留学が危うい
質問
大学を1年休学してカナダに留学し、もうすぐ2カ月になります。まだ語学学校なので、余裕もあり楽しく過ごせています。1年の休学の間に、こちらの大学に編入するか日本の大学に復学するか決める条件で、過ごしています。父親は私がこちらの大学を卒業することを望んでます。私もその方が人生を充実させるには、いいだろうと思います。しかし、5年前から続いている過食嘔吐がさらに酷くなり、以前に増して体に支障が出てきました。日本で通院していた先生には、留学を機に変わるだろうと言われましたが、さらに酷くなってしまい毎日してしまいます。

今は日本に帰って大学に通い、病院で完治に向けて治療を受けたいと思ってます。家族の病気のこともあり、余計に気持ちが圧迫されているのだと思います。今年いっぱいはこちらで勉強します。この私の決断は、妥協とはわかってますが、逃げて損をしているのでしょうか?  チャンスはそんなに来ないものだと言われて、その価値もわかっているのですが体と心がついていきません。

回答
摂食障害を持つ人には、家族思いで、非常に優しい人が多いです。人のことが気になり、人が自分に何を期待しているかもわかるので、それらに応えようと、人一倍気をつかい、疲れ果て、自分のニーズやストレスに気づかないのです。そして気がつくと過食したり、嘔吐したりという行動をしてしまうのです。それは過食も嘔吐も誰にも迷惑がかからずできるので、人を気遣う彼らにはピッタリなストレス解消法だからです。

現に、あなたの文章にも「父が私に期待していること」「家族の病気」「誰かに言われた言葉」など、家庭や社会から来る心配、期待、不安、プレッシャーなどが感じられます。あなたに必要なのは、まず、自分のニーズに気づくことです。あなたは何をしたいのでしょうか?あなたは何が苦しいのでしょうか?こういう質問をすると、摂食障害の人はほとんど、「家族の期待に沿うこと」「みんなが幸せになること」「自分ががんばってみんなの問題を解決できないこと」というような返事をします。今回は、もう一歩踏み込んで考えてみてください。何でもできるとしたら、誰もあなたを責めないとしたら、本当はあなたは何をしたいのでしょうか? 何でも言えるとしたら、本当は何にストレスを感じているのでしょうか? このように、自分に素直になって言葉にすることが第一歩です。

次に、あなたが成功して、幸せでいる「具体的な姿」をイメージすることです。苦しい自分、摂食障害を抱えている自分というようなイメージしか持てないのではいけません。これを乗り越え、あなたがなりたい自分になっているのが手に取るように感じられるよう想像力をたくましくしてみましょう。そして、過食嘔吐しそうになる場面でできる、作業のリストを作り、時間をかせぎ、神経を過食から逸らすのです。その作業は片付け、散歩、窓拭き、そうじなど、単純作業で、しかも、あなたがやって苦にならないようなものです。

自分のニーズがわかり、ストレスがわかり、自分の進むべき道がわかってから、あなたの周りの人たちのことを考えましょう。自分を幸せにできない人が、他人を幸せにはできません。自分に優しく、自分の体をいたわってあげるのが先決です。


シャイな子供を親子留学させるには
質問
親子留学に興味があり、是非やってみたいのですが、4歳の息子は非常にシャイで、新しいお友達に慣れるのにも、英語教室に慣れるにもとても時間がかかりました。一週間でも英語環境で生活するのは、せっかく英語を勉強しているこの子のためにもなるし、留学で引っ込み思案がなくなったという話も聞くのでやらせたいのですが、無理に連れて行って、ずっと泣かれたりされてもと心配です。どうすれば、この子を留学させられるでしょうか。

回答
お母さんが心配されているように、お子さんの性格と留学がマッチするかどうかは大変重要です。留学は、外国に子供を置くわけですから、「何のために」「いつ」「どのように」はよく考えなければなりません。高校や大学の年齢で自分で希望して留学してきた人たちでさえ、うつや不安、パニック症など様々な適応障害を経験します。それは、異文化で生活し、勉強することがどれだけ大変かということです。また、最近増えている、学校のカリキュラムに含まれている留学コースで団体で留学してくる人たちの中には、「たまたま入った学校にこのコースがあったから」「卒業するためにはやらなければならないから」というふうに留学のことを考えている人がいて、彼らの中には「勉強する気がない」「日本に帰ることばかり考えている」という状態の人が少なくありません。ということは、本人のやる気や目的意識がどれだけ大切かということです。

お子さんが4歳なら、留学はお子さんではなく親の意思で決定されます。もし、お母さんが留学したくて、息子さんも「ママと一緒なら行きたい」というのならいいかも知れませんが、そうでないなら、留学しても、その間、お母さんはお子さんのことが心配で仕方がないし、息子さんも非常にストレスを感じて過ごさなければならなくなってしまいます。それでは留学の意味がありません。

また、一週間足らずの留学で、英語も上達し、シャイな性格が改善されるというのは、現実的な望みでしょうか。息子さんは、すぐには新しい環境に慣れないけれど、慣れればちゃんとできる子供です。こういうお子さんには彼のペースで好きなことをやらせてあげる方がいいと言えます。今の時点で親子留学しないからといって、将来、英語ができなくなるとか、人とうまくいかなくなるのではという心配は無用です。他の親子がみんなしているからと流されるのではなく、子供の性格や向き・不向きを親が理解し、その子に合わせた教育方針をされるほうが、子供は伸び伸び育つし、将来、「自分で考えて行動できる」子供になると思います。本当の英語の勉強はもっと子供が大きくなってから、子供の意志で始まることであり、第一言語の日本語がしっかり入ってからの方が効果的です。それは1月11日付け「バイリンガル教育の現実」を参照してください。

英才教育はその子が持っている才能を伸ばしてあげることで、親が思ういいことを子供に押し付けることではありません。英語、楽器、スポーツ、アートなど、様々なお稽古ごとは、できる範囲でちょっとやらせて、嫌がったり、興味がなさそうならそこで無理にやらせないことです。小さいときはあれもこれもとお稽古ごとをさせるより、親子の時間、家庭の時間を持つほうが大切です。


彼と一緒にいるための留学、こんな動機で大丈夫でしょうか
質問
本でアメリカ人の彼氏ができ、2年ほどつきあいました。その後彼が帰国したため、私もアメリカに行くことにしました。アメリカで仕事をしたかったのですが、難しいようですので、留学ビザで1年の予定で行きます。彼との仲は大変良く、二人とも将来は結婚することを考えています。しかし、私は一応大切な仕事をやめていきますし、特に目標もなく彼がいるという理由だけで留学することになります。こんな理由だけでアメリカで自分を見失わずうまくやっていけるのかどうか心配です。また、途中で別れてしまった場合、自分が耐えられるのかどうか不安です。

回答
人生は賭けです。リスクを負って新しい世界に飛び込む時も長い人生にはあります。リスクを恐れていては冒険はできません。あなたが彼だけのためにアメリカに来ることに躊躇しているなら、「あなたのため」のアメリカに来る理由を考えてみてはどうでしょうか?留学することもひとつです。ただ、なんとなく英語を勉強するだけでなく、アメリカで経験したいこと、見てみたいこと、知りたいこと、専門的に勉強したいこと、どんなことでもいいから、あなたなりのアメリカに来る目的を探しましょう。 外国で暮らすことは大きなチャレンジです。日本で仕事を持ち、友達、家族に囲まれて立派な社会人として暮らしていた人でも、外国で暮らすとなると、不安やホームシック、軽いうつ状態を経験します。それは、言葉や文化の違いだけが原因ではありません。家族や友達から離れてしまうこと、社会人としての自信と誇りを得られていた仕事をなくすこと(仕事がかわること)、それまでの自分の生活パターンが変わること、などなど、原因は複雑です。ですから、「自分の目的」を持って新しい世界に向かうことは本当に大切なのです。


学校で過呼吸になってしまいます
質問
21歳の留学生です。最近クラスで急にパニック状態に陥り、過呼吸になってそれ以来いつまたなるかと不安です。実は元々心配性なところがあるので、日本から安定剤を持ってきているので飲んでいるのですが、クラスで発表したりグループアサインメントがあるとドキドキして、びっしょり汗をかいたり震えてきます。クラスにいるので、なんとかがんばろうと我慢すると余計汗をかいたり、耐えられなくなって叫びたくなったりします。どうやったら学校でパニックにならないで済むのでしょうか。

回答
最近の若い日本人学生で授業中や寮で過呼吸などのパニック状態になる人や、手首や腕に傷を入れる人が増えています。過呼吸は強い感情を抑えたり、不安で耐えられなくなったりすると起きます。同じような問題でカウンセリングに来た学生達を見ていると、アメリカに来てからの留学上のストレスだけでなく、日本から様々な問題やストレスを抱えたまま渡米してきたことがわかります。それは実家での問題であったり、人間関係の悩みであったり、自分の性格のコンプレックスであったりと人によって違いますが、持っている精神的エネルギーの大部分がそれに使われてしまっているという点ではどの学生も同じです。そのため、いくら勉強に集中しようと頭では思っても、十分なパワーがない状態で無理にキャパシティー以上のことを自分にさせようとするので、体が赤信号を出してしまうのです。留学を機に、過去のことを断ち切って新しい自分で勉強に専念しようと多くの学生は考えるようですが、過去の問題はいつかは浮上してきます。場合によっては留学のストレスが大きいため、過去の問題が何倍にもなって自分にふりかかってくることもあるのです。あなたの場合も、クラスでの発表やアサインメントなど、何らかのきっかけで昔の傷口が再度傷んできたようです。

さて、どうするかですが、「薬を飲む」「我慢する」といった上から押さえつけるだけでは、いつまた爆発するかわからない「爆弾」を抱えているようなものです。まず、一時帰国したり、学校のクラスを減らしたりして休むことです。精神的エネルギーは休まなければ増えてくれません。次に日本から持ってきたという薬を見直してください。薬の種類によって、特に安定剤は長期で使用すると依存性を生むものも多いので、医者に相談して必要なら安全であなたに合った薬を処方しなおしてもらいましょう。それから、あなたにかかっている留学のストレスが何かをはっきりさせ、過去の問題の解決に取り組むのです。これは「いつかは」やらなければならないことです。カウンセリングを利用したりして、あなたが溜め込んでいるものを出し切ることで、押さえつけられている感情が解放されて新しい精神的エネルギーが入ってくるでしょう。


アメリカでいじめに悩でいます
質問
英語学校の学生です。日本人留学生が多いことと、彼らの言動が気になって勉強どころではありません。ついこの前も「何を考えているかわからない」とか「変わってる」と言われて、崖から突き落とされたような気になりました。日本の高校でいじめられて、その後不登校が続き、アメリカでやり直そうと思って来たのに、嫌われないようにと作り笑いや話を合わすのに疲れて、まただめになってしまいそうです。本当は実家に帰りたいのですが、逃げているようでそれもできずどうしていいかわかりません。

回答
日本の学校でいじめに遭ってから不登校になり、心機一転で留学して来た人にとって、少しでも日本での経験に近い出来事がアメリカで起きるのは耐えられないことです。アメリカならいじめはないし、新しい土地で一から始められると希望を持って来たのに、日本人は多く、そのためにここでも日本人の集団心理が生じて、噂されたりグループを作ったりされると、逃げ場がないような気になってしまうのは当たり前です。

不登校だった人達に、いきなり新しい土地で、毎日学校に行き、勉強もして友達にも受け入れられることを求めるのは早過ぎます。少し滑稽なたとえですが、洞窟で暮らしていた仙人が、何年かぶりに人里に出てきたと考えてみましょう。仙人は一人で暮らすのは慣れているけれど、人に囲まれての集団生活には慣れていないのです。少しずつ環境を学習し、そこに適応していく時間が必要です。現実的な目標としては、キックアウトされない程度に学校に行く、人に話しかけられたら簡単な返事ができる、これくらいが始めの段階にできれば上出来です。次の段階は、カフェテリアで食事ができる、自分から人に話しかける、もっと進めば、クラスで発言できる、親友・彼・彼女と呼べる深い人間関係ができる、というふうに社会性を伸ばしていけばいいのです。

上記のような順序を経ずに、いきなりあなたの考える理想の人にはなれません。山から出てきた仙人は変人扱いされるのは当たり前だと割り切り、英語学校にちゃんと通っている自分を認めてあげましょう。それが今の時点でできる最高の行動だからです。ここで注意点が二つあります。一つは、日本であなたを洞窟に追いやった環境と、今の環境は全く違うことを意識的に認識すること。二つ目は、留学して会う日本人は日本の学校のように長期間一緒ではなく、転校、帰国など短期間であなたの人生からいなくなる人達がほとんどであることを理解することです。アメリカに来ても集団でしか行動せず、日本の価値観を引きずり、しかも短期間しか関わらない人達のことを、気にしても無駄だと思いませんか?

いじめに耐え、つぶれずに留学してきたあなたには、明らかに強さと勇気があります。今のあなたに必要なのは学校に行き続ける忍耐力と、「今の」自分に何ができれば十分かを見極める客観性です。この英語学校を終わらせることが、一番高いハードルであり、それを越えて初めて自信が得られるのです。そうすればその後のハードルはもっと楽に越えられるはずです。


留学の夢が崩れていくようでつらい
質問
英語学校に通う学生です。学校には日本人が多く、カフェテリアでつるんでは他の日本人の噂話とカラオケやパーティの話題ばかりで、一体何のためにアメリカに来たのかと唖然とします。僕は働いて自分のお金で留学してきたのに、親の仕送りでいい車やいいアパートを持つ彼らを見ると腹が立ってしょうがありません。かといって、いろいろな国の人と友達になろうとしても、なかなかうまくいかず、留学の夢が崩れていくようでイライラと淋しさの連続です。

回答
多くの学生が、英語を学ぶだけでなく、様々な国の友達を作って有意義な留学生活を送りたいという希望を胸に留学してきます。ところがどの学校にも日本人はたくさんいる上、集団で噂話と遊びという現実を見ると、疑問を持つのも当然です。また、自分でお金を貯めて留学したあなたと、親の仕送りで留学している人達との意識や態度の違いは、余計あなたに不公平さや不条理さを感じさせるでしょう。

ここで理解して欲しいのは、以上のような違いには関係なく、全ての留学生が、ホームシック、英語で生活し勉強することのストレス、外国人の友達を作る難しさなどを経験するということです。日本人とつるむ人達は、日本語で話し遊ぶことでストレスを解消しているのかもしれません。あなたの辛さは、淋しさやイライラをうまく処理できていないところにあります。それと、裕福な親を持った“ラッキー”な日本人に対する怒りです。

英語学校の頃は「幼稚園レベルの英語」しか話せません。幼い時の友達とは長続きしないのと同じように、いくら外国で友達を作ろうとしても幼稚園レベルの英語では幼稚園レベルの友達しかできません。英語が上達するにつれ、もっと深い人間関係を作ることができます。今の時点では、英語で会話できる友達も大切ですが、日本語で気持ちを100%吐き出せる相手を持つ事も必要です。あなたと似た価値観を持つ日本人を見つけ、文法や単語を考えることなく話すことで、イライラと淋しさを少しは解消できるはずです。

あなたよりラッキーな人間への怒りはどうすればいいのでしょうか?留学は今までのあなたの夢でありゴールで、そこに到達するために努力してきたのに、いともたやすく同じ夢を手に入れている人達がいる・・・「うさぎとかめ」を思い出してください。「留学」は今までのゴールでした。あなたがこれからの留学後のゴールに向けて着々と進んでいけば、必ずうさぎ達を超えていけます。留学して得るもの、留学を踏み台にして大きく羽ばたくこと、その後にあなたが手に入れるものによって、やっとあなたの努力や苦労は報われるのです。留学を自分で手にいれたあなたには、「留学後のゴールを達成すること」も絶対に可能です。


二度目の留学で自信を失ってしまいました
質問
アメリカのコミュニティ・カレッジを卒業後、いったん日本で就職しましたが、やはりアメリカに戻ることをずっと考えていたので、数年後の今年、ついに2度目の留学でシアトルに来ました。日本で外国人の友だちをたくさん作り、英語にもある程度自信もあったので、たいして問題もないだろうと思っていましたが、飛行機に乗った途端、「仕事も辞めて、再び学生に戻るという選択は正しかったんだろうか?」と、ものすごい不安に襲われました。そして、実際にシアトルでの生活が始まってみると、自信のあった英語も評価が低く、ESLに入ることになってしまいました。そんなわけで、自分では「これをしにきた」という目標があるにも関わらず、「これから何年かかって卒業するのか」など、不安になってばかりで、どうしてもやる気が出ません。どのようにすれば、気分の切り替えができるのでしょうか。

回答
あなたは二度目の留学をしようという目的を持ち、それを実行に移すという冒険をしたのです。冒険にはリスクが伴います。留学のリスクには、時間がかかること、将来が未定で保証がないこと、日本にいる他の人と違う生き方であること、外国での生活という不便さや困難さ、などがあります。あなたは、飛行機に乗った途端、自分の冒険に伴うリスクが恐ろしくなったのです。これからどれくらいかかるかわからない時間、自分の年齢、あなたが捨ててきた仕事、などがワーっとあなたに襲ってきたという訳です。

また、冒険はしなかった時にもリスクはあります。後悔、自責の念、冒険をしている人を羨む気持ち、焦り、などです。もし二度めの留学をしなかった時の気持ちを考えてみてはどうでしょうか。結局、冒険をしてもしなくても、どちらにもリスクがあり、あなたがどちらを選択するかなのです。

冒険はそれをすること自体、そこから学ぶこと、得るものに価値があります。自分が決心して捨てたものはきっぱりとあきらめ、自分が決心して選んだものを大切にしていくことが、冒険を成功させる鍵です。二度めの留学という冒険であなたが手にいれたいものは何か、そして、それらが「なぜ」欲しいのかをきちんと考えて記録することです。この「なぜ」は最も大切な、あなたにやる気を起こさせるものなのです。あなたが一度目の留学から数年間もずっとアメリカに戻ることを考えていたこと、それほど長期間、その夢に向かって動いていたことを考えると、きっと何かしっかりした理由があるはずです。それを決して忘れず、冒険にはリスクが伴うのだ、そのリスクを負える人間しか成功しないのだ、と自分に言い聞かせて前進してください。


留学している夫に妻ができるアドバイスはありますか?
質問
LAの医療系大学に留学している主人が学校生活のことで悩んでいます。希望を抱いて日本から2年前に留学し、やっと希望する大学生活をスタートさせたのですが、英語の実力のなさから授業になかなかついて行けないことや友人を作れない事で自信を失っています。英語の出来ないことは承知していながらも、先生や同級生とのコミュニケーションを取ることがなかなかうまく出来ず、あまりの不甲斐無さに悩む毎日です。大きな希望を抱いてここに来ましたが、今は学校へ行くことが辛く夢がどんどん遠くなってしまうのではないかと不安に襲われる日々です。私としては、このまま頑張って夢を実現して欲しいのですが、悩む主人の背中を押してまで進ませることにどうするのがいいのかと考える毎日です。主人は人一倍物事に対して気にする性分のようで、何かあるとすぐ下痢をしてしまいます。最近は下痢が続いているようで、これも一種の神経性なものなのかと余計気がかりになります。このまま志半ばで諦めて欲しくないのですが、私ができるアドバイスはないでしょうか?

回答
留学は華やかで素晴らしいものに聞こえますが、実際は、ほとんど毎日が孤独、プレッシャー、焦り、自己嫌悪の連続です。ご主人が今苦しんでいることは、留学生が通らなければならない苦労の道です。でも、この苦労は、将来のために、彼が自分で引き受けようとかって出たもので、留学を成功させれば、彼の未来は普通の人とは違ったレベルに上がれるのです。英語ができない、アメリカの社会のシステムがわからない、どこへ行っても自分が幼児のように感じられる惨めさ。ホームシックも手伝い、辛さ、淋しさ、自己不信が「留学してがんばるぞ」という夢や希望を色褪せたものにしてしまい、途中であきらめて帰国して行く人はいくらでもいます。

少しでも、この状態をよくするためには、彼が日本語で話せる人と心の中にあるイライラや辛さを語り合うこと、彼が欲しいものを持っている人(すでに医療系大学で留学を終えた日本人)にアドバイスをもらうこと、そして、あなたもアメリカで何かを見つけて始めることです。仕事をするというのではありません。あなたの関心、愛情、心配がすべて彼にそそがれていると、今の状態の彼はもっとプレッシャーを感じるかもしれないからです。

そして、英語にハンディのある留学生が、日本での友人と同じような深さの人間関係をアメリカ人に求めるのは、現実的にまだ無理です。たぶんとても「浅い表面的な」人間関係しか、初めのうちはできないでしょう。3年、4年と一日一日を生きていくことで、友人は少しずつ増え、深い友情が芽生えていきます。

最後に、彼は人一倍物事を気にする人かも知れませんが、LAの医療系大学に留学しようとするくらい、能力も度胸もある人なのです。アメリカの学校生活に慣れるにつれて、本来の彼の強さは再び現れてくるはずです。今が一番、辛い時期だと覚悟してください。これを乗り越えれば楽になって行きますよ。


日本人とばかりつきあっていて、アメリカに来た意味がない
質問
せっかく留学してきたのに日本人とばかり付き合ってしまい、アメリカに来た意味がないと悩んでいます。

回答
せっかく留学してきたのに、日本人とばかり付き合ってしまい、アメリカに来た意味がない、と悩んでいる人は多いと思います。アメリカにいる日本人と友達になることのなかには、いいこともたくさんあります。日本では自分の住んでいる特定の地域の人達としか友達にはなれませんが、アメリカでは日本の様々な場所から来た、違う年齢で立場も違う人達と知り合うことができます。これは、人間関係の場や質を広げるチャンスです。また、日本を遠く離れて、英語で学び、ホストファミリーの元、文化の違いを感じながら暮らすことは、大変なストレスを伴います。そんな時、日本語で自分の素直な気持ちを話せることは、ストレス解消をはじめ、ホームシックの軽減にも役立ちます。

でも、この質問者のように、日本人同士でいてもつまらないし、他の友達もいないと感じている人は、どうすれはいいのでしょうか。なにか、学校以外の生活に「ハリ」がないのではありませんか?アメリカ留学は英語を学ぶ、学位を取るということだけではありません。学校生活だけでなく、アメリカの社会を経験することも含まれています。英語を学びたいのなら、日本でもできますが、留学でしかできないことを吸収して帰国したいですよね。それにはアメリカの社会や文化を経験することです。もし、学校の勉強以外に時間があれば、自分の興味のある分野でボランティアをするのはどうしょうか?学校とは別の世界に飛び込むことで、生の英語を使う機会や、アメリカ人との交流もあるでしょう。恥ずかしがらずに、やってみましょう。美術が好きなら美術館に、音楽が好きならシンフォニーホールに、というふうに挑戦してみましょう。そうやって忙しくなれば、日本人と「またカラオケ?!」しなくてもいいはずです。


ホストファミリーとの葛藤
質問
ホストファミリーが不在がちで英会話の練習にならなかったので、新しい家に移りました。今 度のホストは白人女性で、大学生の息子と彼女の教会友達である二人が同居しています。会話が多いのはいいのですが、しょっちゅう映画や外食に誘われたり、 私が一人で部屋にいると「病気なの?」と心配されてしまいます。キッチンはいつも汚れていて、掃除するのは私ばかりです。不公平なのでホストに言うと、そ の後、彼女がちょっと掃除をしただけで、他の人には注意しようともしません。私が買ってきた食材を他の人が使っても「そのくらいいいじゃない」という返事 だし、最近は「あなたはイライラしている、私たちと教会に行ったほうがいい」とまで言われてしまいました。こういったことが気になる私はおかしいのでしょ うか。

回答
ホームステイをする上で必要なものは「観察」「問題解決」「コミュニケーション」です。その家の文化や価値観を観察するのは、何が問題で、どうすれば解決できるかの指針になります。例えばあなたの家では、同居人たちは掃除や食事は分担していないようです。その上、多くの時間を一緒に過ごすのが彼らの生活パターンのようです。それが彼らの文化・価値観だとすると、いくらあなたの言っていることが正論でも、彼らにとってはあなたが異質になってしまうのです。

問題解決の方法を考えましょう。まず、プライバシーに関しては、「私はこの家に来て会話が多いのは感謝しています。でも学生なので部屋で勉強しなければならない時もあります。ドアを閉めていても勉強中なので心配しないでください」と言ってみましょう。もしかしたら、会話の時間が持てず前のホストを出たあなたに、よかれと思って映画や外食に誘うのかもしれません。「今度の週末は誘ってください」「今夜は徹夜で勉強します」など、頻繁にコミュニケーションを取ると、あなたを尊重してくれるようになるでしょう。

キッチンに関しては、彼らを変えるのは難しいので、あなたができる範囲で解決策を考えることです。自分が使った食器しか洗わない、自分が料理したものは名前を書いたタッパーに入れる、食費を払うのを止めて外食にするなどの方法を考えてみましょう。そして、それをホストに話すことです。「私はこの家に長く、快適に住みたいので、こういうアイデアを考えてみました」というふうに提案しましょう。黙ってやるより効果的です。

「イライラしているから教会へ」というのは、ホストが彼女なりにあなたのイライラを何とかしようと思って言っていることです。しかし、「自分たちが正しく、あなたの考えはおかしい」と彼らに思われるのは心外です。「私のイライラはこの家の文化と自分がなかなか合わないことでした。でも、今はその違いがわかったので大丈夫です」とあなたの立場を主張することです。

あなたができる限りのことをやっても改善されず、勉強に支障がでるのなら別の住環境を探すことです。留学生で何回も引越しをしてやっといい場所を見つけた人は多いです。そしてそのプロセスで英語力は伸び、アメリカ人と対等に交渉できるようになっていくのです。


不登校のせいで語学力の無い自分
質問
中学から不登校になり、大検を取ってアメリカの語学学校に留学しています。話すのはまだ大 丈夫ですが、書くことが得意でなく、自分の英語力のなさにショックを受けています。ほかの日本人学生のみんなは上のレベルに上がっていくのに、僕は同じレ ベルを繰り返すことになってしまい、劣等感で落ち込んでいます。こんな僕には留学は無駄でしょうか。

回答
なぜか日本人の留学生は、22~23歳でも「今からやってももう遅い」「自分は年を取りすぎている」などと思っている人がいます。まず、勉強において無駄なことは何もないということと、人生はいつでも新しいスタートが切れることを頭に入れてください。最近増えてきた、「中学や高校で不登校だったので英語の基礎力がない」「~回目の推薦枠で入学したので学力に自信がない」という悩みを抱える彼らは、どうすればこのハードルを乗り越えられるのでしょうか。

第一に、ほかの日本人学生と自分を比較しないことです。比べることでやる気が出たり、何らかのメリットがあるなら別ですが、そのせいで落ち込んだり劣等感が大きくなるなら、それこそ無駄な時間です。次に考えなければならないのは、あなたが留学した理由です。「海外で再起をかけて」というのならその方向に、「英語をマスターしてやりたいことがある」なら、それを実現しなければならないのです。そして、何をするにも時間と努力が必要であることを受け入れましょう。

多くの若い人たちは非常に焦っていて、早く目的地に着くことだけを考えています。だから、少しでも先を進んでいる人がいるとがっかりし、今さら…… とあきらめてしまうのです。人生は「ウサギとカメ」です。ゆっくりとでも着実に進む人だけが成功するのです。いま先を行っている人でも、10年先、20年先もあなたより進んでいるとは限りません。遅れていても、「まだそこにいるのか」と言われても、自分の行くべき道を一歩ずつ進んでいきましょう。単語ひとつから、文法ひとつから英語の習得は始まるのです。

たとえばアメリカでは、移民や難民のための「無料英語教室」が図書館や教会で開かれています。一度、そんな教室をのぞいて見てください。母国でまったく英語と関連のなかった人たちが、「生きていくため」にいちから英語を学ぶ姿を見ることは、英語に対する考えを見直すいい機会になるかもしれません。彼らは語学学校でいうと基礎レベルからの出発で、いい大人が簡単な文章を読み、発音を直されるその姿は、日本人からするとみっともなく映るかもしれません。なぜなら、日本人は語学留学に「英語ネイティブのように格好よくきれいな発音で話すこと」を期待しがちだからです。語学の勉強はもっと地道で、格好悪く、地味なものです。だから、プライドを捨て、時間がかかってもあきらめないことです。

また、英語は「コミュニケーションの手段」であることも頭に入れておきましょう。あなたの言いたいことが相手に伝えられるのが大事なのであって、体裁は二の次です。ですから、英語という「手段」だけに気を取られるのではなく、「自分の意見を持つこと」に重点を置きましょう。文法や発音が間違っていても、中身のある話をする人の方が、発音だけがきれいな人よりも尊敬されるのです。


留学なんてするべきじゃなかった?
質問
コミュニティーカレッジの学生です。日本でフリーターをしている友達にメールをもらって以 来、悩んでいます。彼女は給料がよく、自由な時間がたくさんあり、彼にブランド品のバッグを買ってもらったり、友達と旅行したりと、楽しいことばかりのよ うです。アメリカで勉強漬けの私とあまりにもギャップがあり、「もしかしたら間違った選択をしたのでは」「日本の若者の楽しみをまったく経験できないか も」と後悔や焦りで、どうしていいかわかりません。留学は間違っていたのでしょうか。

回答
日本の友達の情報は、留学生にとって心揺さぶられるものです。特にその情報が魅力的に見えるものだと、宿題やテスト、プレゼンテーションに四苦八苦している留学生活を送る立場と比べて、「自分はこれでよかったのか」と疑いを持ってしまいます。最近、日本でフリーターを何年かしていて、年齢のせいで仕事が見つからなくなり、留学をする人が増えています。彼らは、「自分の年では、学位などの何か特殊技能がないと年齢制限に引っかかる」のだと言います。

正社員が減っているのは、日本の社会問題です。そのため職歴が長く経験があっても、仕事がない人が増えるのです。あなたの友達も今は若いので仕事はすぐに見つかるでしょうが、何年かすると誰もが年齢の壁にぶち当たります。今の若い人たちがしなければならないのは、「今」だけではなく、「30代、40 代」を見据えて勉強し、仕事を選び、機会を常に探すことでしょう。

あなたが留学して勉強ばかりの日々を送っているのは、未来への投資です。友達が今エンジョイしている給料、自由な時間、彼氏、ブランド品のバッグ、旅行などは、一時的なものに過ぎません。一方で、あなたが今受けている教育やこの先得ようとしている学位は、一生あなたの財産になるのです。キャリアが積める仕事に就き、土台をしっかりと作っていけば、もっと素晴らしいものが手に入るでしょう。

留学当初の目的を忘れないこと。目的への道が遠くても、他の人がうらやましい生活をしていても、それらに惑わされず進むことが大切です。そのためには、留学中はある程度日本の情報を遮断する必要があります。日本からの不必要な情報は、あなたのやる気や元気をなくさせ、迷いを生み出してしまうからです。あなたが今、見本としなければならない人たちは、日本の友達ではなく、留学で努力して成功している人たちです。そして目的に向かって努力している自分をちゃんと認めてあげてください。


社会人留学への焦りや不安
質問
日本で外資系企業に勤めて8年。仕事はできる方ですが、会話や文書の英語力で帰国子女や留 学経験者に引けをとり悔しい思いをしています。キャリアアップに留学したいのですが、英語を習得するだけでは帰国後の就職には不十分と感じ、かといって何 を勉強すべきかわかりません。毎日仕事で帰宅は遅く、学部や学校をリサーチする余裕もない間に時間だけが過ぎていきます。悩んでいるより、きっぱり渡米し てしまう方がいいのでしょうか。

回答
キャリアアップを目指すアメリカの留学生に多いのは、「取りあえず語学学校で英語を勉強して、その後カレッジか大学で資格などを取得し、OPT(卒業後に 就労が認められるビザ)で仕事の経験を積み帰国しよう」と考え、留学直前まで働き、語学学校後のプランは未定で取りあえず渡航する人たちです。年齢に焦り を感じる人も多くいます。日本を出る時点ですでに疲労困憊(こんぱい)。入学後はそのまま受験生並みの勉強量に突入するので、体や心が病気になってしまう人が多いのです。過労や不眠から、勉強に手がつかないほど不安を感じたり、うつになる人までいます。彼らの中には「日本の生活に限界を感じていた」「本当は留学前に休みたかった」「何をすべきかわからず将来が見えない」という人が多いのです。優秀で働き者の人がそんな状態になってしまうのは、大変残念です。

毎日の重労働で疲れ切った馬に荷物を背負わせ、「進め」とムチを打ってもいずれ倒れるのは目に見えています。まず休むことです。そして英語にハンディがあっても、外資系で8年間働いてきたキャリアに自信を持ち、あなた本来の強さや活力を取り戻してください。

次にしっかりと計画を立てることです。英語力をアップできればいいのか、キャリアチェンジをしたいのか、あなたが何を求めているかを考えてください。こんな時アメリカ人の中には、1カ月から1年近く休みを取って好きなことをする人がいます。体も心もいったんゼロにすると、次の目的ややりたいことが見えてやる気が沸いてくるわけです。

ただ、アメリカ人でもアジア系にはそれが苦手な人がいます。以前、中国系アメリカ人で、「32歳で転職したいが、何が自分にとっていい仕事がわからない。時間もないので仕事探しを手伝ってほしい」と電話をかけてきた人がいました。仕事を辞めた次の日から別の何かが始まらないと罪悪感や恐怖感を持つのは、日本人だけではないのです。自分の将来を考えるための時間は自分への投資です。それに投資する勇気がないと、他人まかせになったり環境に流されてしまいます。

どんなに焦っても、留学すると「日本の社会人」としての時間はその間止まってしまうことになります。腰をすえて英気を養い目標を定めれば、留学で人生は開けるでしょう。



個人情報について | 免責事項 | お支払いについて | 保険について | リンク
© 2008-2019 Success Abroad Counseling. All Rights Reserved.